Star Child Story |
限りなく広がる宇宙に、ひときわ輝く星がありました。 その星には、いろいろな生き物が助け合いながら暮らしていました...。 その星には、愛と勇気と希望が満ちあふれていました。 ある時、クマの坊やが、望遠鏡で星空を眺めていました。 その坊やの名前はアルカスといいました。 望遠鏡にはいろいろな星が見えました。その中で、 ひとつだけ目にとまった星がありました。 その星はブルーに染まったとてもきれいな星でした。 でもよく見ると、人間たちが互いに殺しあったり、 傷つけあったりしていました。 そして、子供たちがいじめられたり、 飢えに苦しんでいるすがたがみえました。 そうかと思うと、おいしいものをたくさん食べているのに、 それでも満足できず、もっと欲張っている人間たちがみえました。 アルカスは思いました。 「おなじ星に生きているのだから、みんな仲良くして、 優しくなれば、みんなが幸せになれるのに」 そこへ、フクロウの校長先生がやってきました。 「アルカス君、どうしたのじゃ。」 アルカスは、その星を見て、思ったことを校長先生に話しました。 校長先生は静かに話し始めました。 「アルカス君、我々が暮らしておるこの星にも、 遠い昔、人間が住んでおった。 しかし、人間たちはみな、自分ひとりのことしか考えていなかったために、 幸せの本当の意味がわからず、滅んでしまったのじゃ。」 「幸せというものは、高いところとか、遠いところにあるものでなく, また見たり、ふれたりすることのできるものでもない。 すぐ身近にあるものじゃ。心に愛とか夢とか希望が持てれば、 それが、勇気となり、心の支えとなって、みな幸せになれるのじゃ。」 「アルカス君、君に宿題をあげよう。」 そういうと、校長先生はコートの中からキラキラ光ったバトンを取り出し、 アルカスに渡しました。 「あのブルーの星へ行って、幸せになろうと願っている人間や、 心の支えを必要としている 人間を見つけたら、このバトンを大きく振ってあげなさい。 そうすると、みんなの心に勇気がわいてきて、 幸せの本当の意味がわかるようになるから。 Star Child Story より |