自由熊とスターチャイルド |
日本で最初にテディーベアが作られたのは、1931年(昭和6年)です。 そのテディーベアの名前は、「自由熊」。 この「自由熊」の名前の由来は、読んで字のごとく、首、腕、脚が自由に 動くというストレートな命名です。 和声テディーベア「自由熊」を最初に製作したのは、当時、三河島にあった 大和田製作所です。 ある日、取引先玩具卸の社長がよろっぱで手に入れたシュタイフのテディーベアを 持ってきて、これと同じような作ってとの依頼から始まりました。 それまでの熊のぬいぐるみとはまったく違った、日本初のテディーベア作りは困難を 極めました。 特にジョイントの製作に苦労しました。試行錯誤の末、厚手のボール紙と、ブリキの 円盤に穴を開けたもの、釘をなめしたもので、ジョイントの代用として製作しました。 太平洋戦争後、東京、中野区江古田で、大和田玩具製作所は製造を再開しました。 大和田玩具製作所で技術・技能を修得した私の父、長谷川江久は、1952年(昭和27年) 現在の新宿区中落合に、長谷川玩具製作所を創業しました。 1957年(昭和32年)、私の誕生祝いに、私だけの「自由熊」を作ってもらいました。 |
大学卒業後、私は長谷川玩具製作所に就職しました。 1990年(平成2年)9月に、ぬいぐるみの企画・製造・販売会社 株式会社スターチャイルドを創業しました。 そして、2000年(平成12年)、「自由熊」の新しいもでるを発売 しました。 |
2004年(平成16年)、突然父を亡くしました。あまりのショックで仕事に身が入らず、 悶々とした日々を過ごしており、このままではいけないと思い悩んでおりました。 ある日、目白駅近くの陶芸教室の1日体験講座に参加しました。 そのとき味わった感覚は、フランスの哲学者アランの「幸福論」に書かれている、 「人間は、意識し、ものを作り出すことによってのみ幸福である。」というそのもでありました。 2012年(平成24年)、陶製「自由熊」を作りました。 長谷川 孝博 |
自由熊コレクション |
自由熊 1954年 |
自由熊 1994年 Mサイズ |
自由熊 1994年 Sサイズ |
陶製 自由熊 2012年 |
自由熊 2022年 |